債務整理をしても借金が残るケースとは?
債務整理は、借金を減らす、または全額免除するための法的な手続きですが、必ずしもすべての借金が解消されるわけではありません。
特定の条件や借金の種類によっては、債務整理後も返済義務が残る場合があります。本記事では、そのようなケースをわかりやすく解説します。
債務整理後も借金が残る主なケース
自己破産では、多くの借金が免責(支払い義務の免除)されますが、以下のような借金は免責の対象外です。
- 税金:住民税や所得税など、公的な税金は免責されません。
- 罰金:交通違反や刑事罰に関連する罰金。
- 養育費:離婚後の子どもの養育費。
- 損害賠償:故意または重大な過失による損害賠償。
これらの借金は、債務整理を行った後でも支払い続ける必要があります。
手続きで漏れた借金がある場合
債務整理の際に、すべての借金を正確に申告しなかった場合、その借金は整理の対象から外れてしまいます。
- 例:複数の貸金業者から借り入れをしている場合、一部を申告し忘れると整理の対象外になります。
- 対策:債務整理を始める前に、すべての借金をリストアップし、専門家に提出する。
任意整理や個人再生で残る返済額
任意整理や個人再生では、借金を大幅に減額できますが、元本の一部は返済する必要があります。
- 任意整理:利息や遅延損害金がカットされることが多いですが、元本は全額返済が必要。
- 個人再生:借金総額が最大で5分の1に減額されますが、残額を3~5年で分割返済します。
新たに発生した借金
債務整理後に新たに借り入れをした場合、その借金はもちろん債務整理の対象外です。
- 例:債務整理後に生活費を補うために借りたお金。
- 注意:債務整理後は信用情報に影響が残り、新たな借金が難しくなる場合があります。
借金が残る場合の対策
- 収支を見直す
- 残った借金を計画的に返済するため、収入と支出のバランスを見直します。
- 債務整理後の追加相談
- 予期せず借金が残った場合、再度専門家に相談し、追加の対策を検討。
- 分割返済や猶予交渉
- 税金や養育費など免責されない借金に対しては、分割払いの交渉を行う。
まとめ
債務整理は借金問題を解決するための有効な手段ですが、すべての借金が免除されるわけではありません。免責されない借金や申告漏れに注意し、専門家のアドバイスを受けながら進めることが大切です。残った借金についても、計画的に対応することで、新たなスタートを切ることができます。