「自己破産したら、ネットに名前が載るの?」「“破産者リスト”に一生残ってしまうのでは…」
そんな不安を抱えて、手続きをためらっている方は少なくありません。
たしかに、破産の手続きでは“官報”という公的な記録に名前が掲載されます。
でも、それは“社会的制裁”でも、“一生晒されるブラックリスト”でもありません。
「破産者リスト」という言葉の誤解と、その背後にある制度や現実について知ることから始めましょう。
自己破産すると“破産者リスト”に載るって本当?




そもそも「破産者リスト」という制度は存在しない
日本には「破産者リスト」という名前の制度や公開データベースは存在しません。「官報に破産情報が掲載される」=「リストに載る」と誤解されているケースが非常に多いのです。
つまり、“破産者リスト”という言葉は、制度上の正式なものではなく、ネット上で生まれた俗称に過ぎません。
官報には掲載されるが、検索性が極めて低い
たしかに、自己破産をすると官報に氏名・住所・破産手続きの開始情報などが掲載されます。これは債権者への周知や手続きの公正性を確保するための措置です。
ただし、官報の検索性は非常に低く、個人名をネット検索してもヒットしないようになっています。掲載も数日間のみで、特別な目的がない限り、誰かに見られるリスクは現実にはほぼありません。


官報掲載と「破産者マップ」問題|今も残っているの?






過去に「破産者マップ」という違法サイトが存在した
2018年〜2022年にかけて、官報情報を収集してGoogleマップ上に“破産者の名前と住所”を表示するサイトが複数登場しました。いわゆる「破産者マップ」や「新・破産者マップ」です。
これらは官報を無断転載したうえで、プライバシーを侵害する行為を繰り返し、大きな社会問題になりました。
現在は刑事告発・行政指導が入り閉鎖へ
2023年以降、日本の個人情報保護委員会が正式に調査・行政指導・刑事告発を行い、多くの「破産者マップ」系サイトは閉鎖・凍結されました。
違法サイトの情報が完全に消えることは難しいですが、今後の運営・再拡散には高い法的リスクが伴う状況になっています。
見つけた場合は、まずは落ち着いて行動しましょう
仮に自分の情報が掲載されているのを見つけた場合でも、個人で削除請求を行う方法や、弁護士を通じて法的に削除対応を進めることが可能です。実際に、削除交渉や仮処分の申立てによってサイト管理者に削除を促すケースも少なくありません。
ただし、個人で対応するには手間も時間もかかりますし、掲載サイトが違法性の高い海外サーバーを使っていたり、匿名運営されていたりすると、対応が難航することもあります。
さらに注意したいのが、「削除にはビットコインで●万円を支払ってください」と要求してくる悪質なケースです。これは明らかに金銭を目的とした詐欺的手法であり、支払っても確実に削除される保証は一切ありません。



見つけた場合も、慌てて送金するのではなく、まずは専門家に相談してください。個人で判断してしまうことで、さらなる被害につながる可能性があります
もし、あなたが自己破産を考えるほどの状況にあるのなら
情報がネットに残ってしまう不安だけでなく、今の借金問題そのものにも向き合う必要があるタイミングかもしれません。
無料相談を受け付けている事務所に、「破産者マップに載ってしまったら」という悩みも含めて、相談してみましょう。あなたの不安に寄り添って、丁寧に話を聞いてくれるかどうかも事務所選びのポイントです。
もしもの事態の対応の見解を聞いてみるだけでも、安心感は大きく変わってくるはずです。
まずは、正しい情報をもとに安心して話ができる場所に、今の不安をそのまま相談してみましょう。
「バレるのが怖い」その気持ちは間違っていない






恥ずかしいと思う気持ちは自然なこと
自己破産は誰にでも起こりうること。でも、「破産」=「社会的な失敗」「人生の汚点」という印象を持ってしまうのは無理もありません。
ただ、その「恥ずかしい」という気持ちは、決して弱さではない。むしろ、誰にも迷惑をかけずに生きていこうとしてきた証です。
それでも、自分の人生を立て直すために
本当に怖いのは、名前が載ることではなく、借金の苦しみから抜け出せない毎日が続くことです。
誰にも知られたくないからといって、返済不能なまま放置すれば、差し押さえや給与の強制執行、家族への影響の方が深刻になることもあります。
あなたの不安は、間違っていない。だけど、それだけで前に進むことを諦めてしまうのは、もっともったいない選択かもしれません。
誰にも知られずに自己破産したい人へ|できることと注意点






家族に知られずに手続きしたい場合
同居している家族に対しては、郵便物・連絡手段の管理を丁寧にすれば、手続き中に知られるリスクを大きく下げられます。
弁護士によっては郵送物なし・電話連絡を最小限にする対応が可能な事務所もあります。心配な方は、最初の相談時に「家族に知られたくない」と伝えておくと配慮してもらえます。
職場に知られたくない人が気をつけるべき点
基本的に職場に通知が行くことはありません。ただし、給与差し押さえのような事態を避けるには、早期の手続き開始が有効です。
弁護士が「受任通知」を出した時点で取り立てがストップするので、職場にバレずに自己破産したい人はなるべく早く専門家に相談しましょう。
「破産者リストが怖い」あなたへ、本当に伝えたいこと






「自己破産すると“破産者リスト”に載る」 そう聞いて、不安になってしまうのはごく自然なことです。
でも実際には、公的にそんなリストは存在せず、官報に掲載されたとしても、あなたの名前をわざわざ見つけ出す人はほとんどいません。
破産は、あなたの人生を立て直すための制度です。誰かを傷つけるものではなく、もう一度、生活を再スタートするための手段です。
もしあなたが、今、苦しい状況にあって「でも怖いから動けない」と思っているなら、まずは事実を知ることから始めてみてください。
あなたが未来に向けて一歩を踏み出すその瞬間を、誰かが笑ったりはしません。 むしろ、応援してくれる人がきっといます。